2026.9.09  

シマシルアカデミア ~ 島唄で歌い継がれる島の美女たち 

奄美の「おいしい」「楽しい」「便利」だけじゃない、島のことをもっと深く知ってみませんか?

観光ガイドブック「みしょらんガイド」では、レストランやカフェ、アクティビティ、ショップなどの観光情報はもちろん、奄美で暮らす人にも楽しんでもらえるさまざまな情報を紹介しています。

その中でも、島に伝わる伝説や言い伝え、文化、風習など、ちょっとディープな奄美のあれこれを紹介しているのが「シマシルアカデミア」です。

「シマ」のことを知ると、いつもの景色や文化が、少し違って見えてくる。そんな“知る楽しさ”を届けるコラムとして、これまでさまざまなテーマを取り上げてきました。

今回からは、そんな「シマシルアカデミア」をWEBでもお届けします。

第5回のテーマは、「島唄に歌われた美女たち」

島唄(シマ唄)は、奄美の伝統的な民謡で、島ごと・シマ(集落)ごとで歌詞が異なるなど多様な独自性があります。
主に16世紀の薩摩藩支配の時代に形作られたと言われ、奄美を深く知る上で大切な文化資材にもなっています。

数多い歌のなかでも、印象的なのがたぐいまれな美しさを持った女性を歌ったもの。
その美しさゆえの悲劇や驚きの逸話を紹介します。

歌に込められた物語をたどりながら、奄美に息づく文化の一端をのぞいてみましょう。

※言い伝えは諸説あります。歌詞の表現は集落や唄者によって異なります。

 

美しすぎる悲劇の母娘「むちゃ加那とうらとみ」

悲劇は、母「うらとみ」から始まる。加計呂麻島 生間(いけんま)集落のうらとみは大層な美人で、薩摩役人に見初められたがこれを拒否。小舟で喜界島へ逃げ、そこで結婚し生まれたのが「むちゃ加那」である。

むちゃ加那は母以上の美人に成長したが女友達に妬まれ、アオサを採っているときに海に突き落とされてしまう。
遺体は奄美大島の住用・青久(あおく)集落の海岸に流れ着き、手厚く葬られた。
娘の悲劇を知ったうらとみは入水自殺をしたと伝えられている。


写真は、青久海岸と「むちゃ加那の碑」。喜界島にも「ムチャ加那の碑」が建つ。

加計呂麻島 ~ 喜界島 ~ 奄美大島と 3つの島を巡る、悲しい母娘の物語はいまも人々の心をとらえ歌い継がれている。

 

♪むちゃ加那節(うらとみ節)  

ハレイ美らさ生まれば
美人に生まれたために

ハレイ同志に憎まれて
友だちに憎まれかわいそうなむちゃ加那

ハレイきもちゃげむちゃ加那や
かわいそうなむちゃ加那

潮波に引きゃされて
潮波にひかれてしまった

 

 

夜は唄うな。悲劇の死を遂げた美女「かんつめ」

宇検村須古(すこ)に生まれたかんつめは、歌のうまい評判の美女。
しかし家が貧しかったため、同村名柄(ながら)の豪農にヤンチュ(当時の債務奴隷)として身売りされたことから悲劇が始まる。
隣村の男性と恋に落ちたが、かんつめの美しさに横恋募して いた豪農主人が嫉妬し、かんつめを虐待。世を儚み、かんつめは自ら命を落とした。
かんつめ節は夜に歌うと幽霊が出ると言われ、いまも夜に歌うのは避けられているという。

宇検村名柄と瀬戸内町久慈の間にある小高い山の頂には、「カンツメの碑」があり、かんつめの物語が今も伝えられてる。

♪かんつめ節  

夕べがれ遊だるかんつめ あごくゎ
タべまで一緒に遊んだかんつめ姉さんは

なあしゃが宵なりば後生が道に
明日宵にはあの世に行って

御袖振りゅり
袖を振っている

 

 

顔も心もきれいなおもてなし上手の美女「バア加那」

いまの奄美市名瀬芦花部(あしけぶ)に暮らしたバア加那。あるとき、代官仮屋へ上納を行った 島中の小早船(くばや)のうち、実久(今の瀬戸内町)の船が「美人とうわさのバア加那を見たい」と芦花部に立ち寄った。
バア加那は男たちに集落に流れる「しろごの水」を振る舞って疲れを癒し、実久の船は寄り道したにも関わらず一番で帰りついたという。客人のためにわざわざ水を汲みに行って、もてなしたバア加那。 容姿だけでなくその心まで美しい女性だったと伝えられている。

写真は、「芦花部一番バアカナの碑」のそばにある、年中澄み切って濁らないという白川(しろご)の水と、「バアカナの屋敷ウントノチ跡」の石碑。
案内看板も設置されているので、島唄に歌われた物語をたどりながら、実際に訪ねてみるのもおすすめ。

♪芦花部一番節

芦花部一番や上殿内ぬバア加那
芦花部で一番の美女はバア加那だ

くばや一番な実久くばや
小早船で一番早いのは実久だ

 

 

「知る」と、シマはもっとおもしろい。

島唄に残る物語をたどってみると、いつもの風景や文化の中にも、知らなかった物語が息づいていることに気づきます。

「シマシルアカデミア」では、これからも奄美に伝わる伝説や言い伝え、文化や風習など、島をもっと深く知るためのあれこれをご紹介していきます。

奄美を訪れたら、ぜひ「みしょらんガイド」を片手に、島の味や景色、人に出会う旅へ。

ガイドブックで島をめぐり、島を知る。
知れば知るほど、奄美の旅はもっとおもしろくなるはずです。



■冊子名
奄美群島観光情報フリーペーパー「みしょらんガイド」

■公式サイト
https://mishoran.com/

■仕様
オールカラー76P/A5判
クーポン有効期限2027年7月31日まで

■冊子の配布先
奄美大島内一円
奄美空港/ホテル/レンタカー/観光施設/コンビニエンスストアー・スーパー/公民館/全掲載店舗

奄美群島各島の空港、観光案内所、レンタカー、掲載店など

東京・大阪・鹿児島などの奄美関係料理店、観光案内所など

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